自分自身の良き指導者になろうとするFXトレーダーにとっては、成功しているトレードとそうでないトレードにからむ自分の行動、思考、感情のパターンを知ることがメンタルコントロールの大きな一歩になります。

自己改革を根づかせるにはその改革について知ることが必要ですが、それだけでは不十分です。

なぜなら、①自分のパターン(クセ)を知ることと、②そのパターンを変えようというモチベーション(動機)を持つこと、③それを持続させること、は全て違うからです。

個人としてもプロとしても、改革への取り組みの多くに欠けているのは、そのモチベーション(動機)の部分です。何をすべきかを知ることと、実際にそれを行動に移すこととは別なのです。

例えば「ダイエットするには健康的な食生活をして定期的に運動をしよう」と知っていても、行動できない・・続けられない・・というのと同じです。

自分のFXトレードの自己教育者になるときの課題は、スポーツコーチが選手を鼓舞してきついトレーニングをさせたり練習への取り組みを維持させたりするのと同じで、改革する「モチベーションを与える」ことです。

FX日誌をつけ、良いトレードと悪いトレードのパターンを追跡することが日常的な課題、「やることリスト」の一つの項目にすぎないというなら、それで意欲をかき立てられることはないし、自分もその努力を持統させようとはしません。変えたいという欲求をかき立てるのは難しいのです。

FXがそこそこ順調にいっているときには特にそうです。

「触らぬ神にたたりなし」などと言っていると、結局は実際に問題が起きたときに十分な対応ができなくなるのです。

しかし、自分教育ヘの取り組みを持続させるもっと重要な理由があります。FXが順調にいっているときにはまさに自分の強みについて最も自己認識を高めたいときです。

そうすれば、自分の利益を最大限に伸ばすことができます。スポーツや戦闘、またチェスといった脳を使うゲームでは、勝利を収めるのは殺害本能のある者です。

彼らはいつ有利な立場に立てるのかが分かっており、いざそのときが来たら徹底的にその利点を追求します。

トレードが順調にいっているのにそれなりの額しか儲けられないのは、為替相場が見えていないとリターンは激減するということです。

多くのFXトレーダーの場合、全体的な利益を最も押し上げるのは、最高のトレード期間から得られる、めったにない大きな利益なのです。

FXが順調にいっているときもそうでないときも、同じように自分のやるべきことに取り組むことが大切です。発生してもいない問題を解決しろということではありません。

そうではなく、自分の正しい行動を具体的なものにまとめておけば、それをさらに押し進め、十分に活用することができるのです。

逆にFXが順調にいっていないときには、落胆し、敗北感に襲われます。

そのときにできるのは、たとえ悪いパターンが頭をもたげてきてリスクを減らさざるを得ないときでも、日誌ブログをつけることと自分のパターン認識の努力を続け、前向きなメンタルコントロールを維持することです。

これも立派な前進です。

FXの成功者の共通点は強い競争意識

では、あなたがFXでモチベーションを持続させ、極上の成績を上げるにはどうしたら良いのでしょうか。

そのモチベーションをかき立てる大きな要因は、強い競争意欲と勝ちたいという激しい欲求です。

私が知っている優秀なトレーダーたちは、全員が高成績を上げる稼ぎ手ですが、トレードの仕方も違うし、為替相場の見方もかなり違います。

遊び好きで社交的なトレーダーもいれば、感情よりも理性に訴えるトレーダーもいます。気味が悪いほど勘が鋭いトレーダーもいれば、分析力にたけているトレーダーもいます。

ですが、そんな彼ら全員に共通しているのが高い競争意識です。

同僚と競い合い、マーケットと競い合っていますが、とくに自分自身と競い合っているのです。彼らは単に金儲けではなく腕を上げることにプライドを感じ、それに正当性を見いだしているのです。

それで成功したトレーダーは、退職後も何不自由なく暮らしていけるというのにFXに参加し続けるのです。

逆にそれほど高い競争意識を持っていない並みのトレーダーの場合はどうでしょうか。

彼らがFXをするのは負けないため・・・です。生活を維持するためであり、今よりも上を目指したいという渇望はないです。上達したいとは思っているが、最高のトレーダーになるつもりはない・・・

成功したトレーダーがモチベーションを持続できるのは、悪いパターンにからむコストと良いパターンによる利益を十分に心に留めているからです。

成功しているトレーダーが特定のトレードやマーケットを回避しようとするのは、そのアイディアがかつて損失をもたらしたのだという特定の記憶が頻繁によみがえってくるからです。

最悪のトレードによる痛みに共感していると、ミスを回避しようという意欲がかき立てられるのです。

同様に、成功しているトレーダーにとって、自分の長所を知るというのは、単に抽象的な認識ではなく、順調なトレードに対する自尊心や達成感に共感することなのです。

自分のFXブログをどうメンタルコントロールに活かすか

メンタルコントロールの最良のやり方は、このレッスンの素晴らしい課題にもなるのですが、自分の最良のトレードと最悪のトレードのパターンを簡単にまとめるだけでなく、

実際に最悪のパターンにからむコストと最良のパターンによる利益とを書き出して、それらをイメージしてみることです。

言い換えると、自分が書いている事柄に共感するまで日誌ブログをつけるのを止めないということです。悪いパターンを憎悪し、自分を妨害するようなやり方に嫌悪感を抱くようになると、そうしたパターンを変えたいと思うでしょう。

逆に、利益が出ている良いパターンが分かり、それを感じているときには、そのパターンを増やしたいと思うでしょう。

自己教育が順調にいっているときには、日誌ブログをつけるのも単なる認知的訓練ではなく、メンタルコントロールの訓練にもなるのです。

あいまいなポジティブ思考から得られるものはほとんどないです。「トレーダーとして成功するぞ!」という主張を復唱するのは、むなしいウソなんです。このようなポジティブ思考が機能しないのは、それが自分の日々の行動と関連づけられていないからです。

単に満足感を求めるだけでは不十分で、二度とミスを繰り返すまい、という後悔の念を感じることに真の価値があるのです。

効果的なのは、FXトレードという最高の体験、喜びと達成感を味わうという素晴らしい体験を、自分にそういう幸福をもたらしてくれる特定の行動と関連づけることです。

また、「二度とこんなことはするものか」と具体的な誓いを立て、自分の最悪のトレードの痛みを再び思い描いてみることも極めて有益です。

例えばスポーツのコーチを考えてみましょう。練習のたびに技術を教え、フィードバックをして選手のモチベーションを高めていきます。

自己教育の観点から見てもけっして間違ったやり方ではないです。否定的な思考や行動のパターンを具体的なコストと利益に関連づけて考えていくと、そうしたパターンを変えられる可能性が高いです。

建設的な行動を特定の利益と関連づけることが、そうした行動の動機づけになり、意欲が出てくる可能性が最も高いのです。

例外を作ってそれを過去のやり方に戻し始めると、自己改革への取り組みは行き詰まります。

例外を受け入れるには、過去の悪いパターンを受け入れる必要があるのです。私達が最も自己改革を長続きさせることができるのは、過去の悪いパターンを完全に受けつけなくなったときです。

日誌ブログをつけるときには、感情を交えずに自分の行動の要点をさっとメモするだけではなく、そういう姿勢を確立したいと思うでしょう。

自分の日誌に感情を表す言葉が書かれていなければ、つまり建設的な表現がなければ、その日誌は改革についての要点をまとめてあるだけであって、改革のモチベーションになっている可能性は低いです。感情も具体的に書きましょう。

FXメンタルコントロールに成功した人の画像

『FXにおけるコストと利益を測定する』の解説ページです。


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