通貨高と通貨安の意味は、意外と間違えて解釈されています。ここで正確に理解をすることがFXで利益を上げるスタートにつながります。
通貨の上下動がFXの利益の源です
いわゆる円高とは、他国の通貨に対して日本円の価値が上がることです。逆に円安とは、日本円の価値が外国の通貨よりも下がることです。
例えば、1ドル=100円が1ドル=90円になれば、10円の円高であり、ドルに対して日本円の価値が10%上がったことになります。反対に、1ドル=100円が1ドル=110円になれば、10円(10%)の円安です。
為替で円高が進むと、「日本の輸出企業の業績が悪化する」という懸念から株式市場が下落したりもしますが、反対に、原油や穀物など輸入品の値段が下がって生活必需品が安く買えます。
あるいは、海外での買い物が安くなりますから、海外旅行にも行きやすくなります。
他にも、自国通貨の値上がりは国の力を示す意味合いの一つにもなりますから、円高が日本経済にとって一概にマイナスだとは言えません。円高で喜ぶ人もいれば、円高で泣く人もいます。
日本は輸出が強く、長年にわたり巨額の貿易黒字国でしたので、外国で商品を売り外貨で受け取った代金を円に換える時に、『外貨売り円買い』のニーズが生まれます。
それによって、歴史的に見ると円高になりやすい傾向というのはあります。
それと、日本はデフレで物価が下がっていく傾向が出てきましたので、そうなると相対的に持っている円の価値が上がることになるので、それもますます円が買われる要因になるのです。
ただ、この円高も問題があります。日本国内の製造業者は賃金が安い労働者を求めて海外に逃げてしまうのです。海外で作って日本に逆輸入したほうが儲かるからです。
でも、それによって日本国内の雇用や仕事が減って不景気になります。
それで日本政府は、デフレ対策の名目で金融緩和をして、結果的に円安に持って行き、雇用を回復させようとしているのです。
ドル/円相場においては、円高=ドル安、円安=ドル高と同じこと
新聞テレビ・ネットでも、やれ円高になった、やれ円安になったと挨拶のように言われていますが、FXの世界では通貨ペアの左側の通貨を主体として考えますので、ドル/円で円高になればそれはドル安と同じ意味なので【ドル安(円高)】になったと表現するのが正しく、円安になれば【ドル高(円安)】になったと表現します。
外貨どうしでのペアも同じで、ユーロ/ドルでは【ユーロ高(ドル安)】、【ユーロ安(ドル高)】と表現します。
FXは安く買って高く売り・高く売って安く買うと利益が出る
円高・円安という動きは、利益の源になります。株でも金でも、どんな相場でも安く買って高く売れば利益になります。
例えば、ドル/円が100円の時に1万ドルを買い、101円のドル高円安になった時に売れば、1円の差額になり、利益は(101円-100円)×1万円=1万円になります。
あるいは、1ドル100円の時に1万ドルを売り、99円のドル安円高になった時に買い戻せば、同じく1万円の利益になるわけです。
反対に言うと、買った後に買値より円高になったり、売った後に売値より円安になれば損失が発生しますから、FXで取引する時は、これからどちらの方向に向かうのかを見極めることが重要になります。
それを見極めるためには色んな指標が使われます。様々な経済指標だったり、金融政策だったり、あるいは視覚的に判断しやすい『チャート』で見るのが一般的です。
例えば、ドル/円やクロス円のチャートでは、チャートが右肩上がりなら円安、右肩下がりなら円高・・・というふうに視覚的にトレンドを判断できます。