FXの良いところは、外貨の買い(ロング)からエントリーするだけではなく、外貨の売り(ショート)からも取引を始められるところです。
ここが株式投資とは決定的に違うところですよね。株の場合は、普通は安値で買ってから高値で売って利益を取るのですが、相場全体が下げトレンドだったら買っても利益は出にくいですよね。
まーその代わり信用取引というのがあって、空売りが出来ます。持っていない株を貸し株会社から借りて高値で売って、値下がりしたら安く買い戻して株を返す・・その差額が利益になる・・という信用取引があります。
それでも、信用取引ができる銘柄に限りがあるのと、貸し株手数料があるので、手軽に売りから入る手法は株では使えないのです。
でもこれがFXなら、「ドルを買って円を売る」からスタートしても良いですし、「円を買ってドルを売る」からスタートしても良いわけです。
上げ相場、下げ相場に関係なく、為替市場に動きさえあれば利益が出せます。
例えば、ドル/円でドルを売り、ドルが下がった(ドル安円高)時点でで買い戻せば、利益になります。外貨同士の通貨ペアでも同じで、下がると思った方の通貨を売り、下がった時点で買い戻せば利益が出ます。
FXは差金決済なので少ない資本金で取引できる
FXは差金決済という決済方式によって取引が成立します。
売り買いによって発生する差額分だけを決済(売買ポジションの手仕舞い)するわけですので、レバレッジをかけて手持ち金の何倍もの取引を行おうが、決済する時にその差額分で発生する損失以上の証拠金が口座にあれば、大きな金額の取引も可能なんですね。
それがFXのシステムです。
でも、なんで外貨を買うのに必要な金額が足りないのに、一体どうやって取引できるんでしょうかね?
それは、FXの取引が同日に決済されるから可能になっています。
例えば円で10万ドル買うためには、1ドル=100円の時なら外貨預金では実際に1000万円が必要になります。
でもFXの場合は即日で売り買いを決済させるんで、元本の10万ドルは売りと買いを相殺することができて、いちいち受け取って支払う必要がなくなったんです。
もし当日に決済しないで次の日にポジションを持ち越すとしても、FX業者が当日のポジションと反対の売買を行って、次の営業日に再び同じポジションを建てる(スワップ取引)ことで、当日のポジションを決済するんです。
現在の銀行間同士の為替取引も、ネット決済と言って同じ決済方法を使っています。
大きな金額を動かすということ自体がリスクになるので、このシステムが今では一般的となったようです。
もし当日に決済しない場合には、ポジションを同じレートのままで次の日に繰り越します。これをロールオーバーと言って、その時に発生する金利差を『スワップポイント』と呼びます。
FXで高金利通貨を買うと毎日利息がもらえる
このスワップポイントというのは、2つの通貨同士の金利差に基づいて算出される額のことで、外貨の売りか買いのどちらかのポジションを次の日に繰り越すロールオーバーをする際に発生します。
金利の高い通貨を低い通貨で買うと、そのスワップポイントを毎日受け取れますが、逆に高金利の通貨を低金利の通貨で売ると、逆に支払わないといけないんですね。
FXは値動きがあれば上げても下げても儲かる・・というお話をしましたが、値動きが無くてボックス相場になった時でも、このスワップを使って毎日チャリン・チャリンと稼ぐこともできます。
もちろん、金利の高い通貨を低い通貨で買わないといけませんよ。
さてスワップ金利の計算方法になりますが、例えば米ドルの年利が2.5%で円の年利が0.5%、1ドル=90円の時、10万ドル買ったとします。
金利差が1年間変動しないと仮定した場合、その買いポジションを1年間ロールオーバーすると、理論的には金利差2%分を受け取ることになります。
つまり10万ドルの2%の金利分にあたる2000ドルを受け取り、10万ドルの円対価である900万円の0.5%の金利分4万5000円を支払うことになります。
もし1年後も為替レートが90円で変わらないとすれば、米ドル金利分の2000ドルを売れば、18万円を受け取りますから、円金利の4万5000円を支払うと17万5000円の金利差が利益として手元に残る計算になるわけです。
FXではポジションを持ち続けている限り、土日や祝日も含めて、毎日スワップポイントの受け取りまたは支払いが発生します。
こんなふうに、FXでは高金利の通貨を低金利の通貨で買えば、もし為替差損が出たとしても金利差分によって、長期間保有する際に余裕ができることになります。
株で言うと配当金が入るのと似ていますよね。でも現時点では、各国の利下げしてきて円との金利差がかなり小さくなって、スワップポイントの恩恵も大きくないですから、スワップポイント狙いの取引はちょっと難しい状況です。
でも一方で、低金利の時代には今後利上げの可能性が高まりますから、FX本来の為替差益を狙った取引と同時に、長期投資の仕込みのチャンスでもあるわけです。
FXはレバレッジの利用で資金効率を上げられる
レバレッジとは『テコ』のことです。
FXは差金決済の仕組みがありますから、証拠金の何倍もの取引が可能です。資本金が少なくてもFXできるのです。
例えば1ドルが100円の時に、レバレッジが最大25倍のFX業者では証拠金を20万円入れた場合、20万円×25倍で5万ドル(日本円で500万円)まで取引ができることになります。
その場合は、5万ドルの買いで1円の円安になれば5万円の利益が出ますが、1円の円高になれば5万円の損失になります。
FXに慣れるまではリスクも大きいですから、レバレッジは経験を積みながら少しずつ大きくしていきましょう。
FXは土日以外なら24時間取引ができる
別ページでも解説したように、外国為替市場は24時間休みのない市場です。FXでも土日を除いてですが、24時間取引が可能です。
でもなんで24時間取引可能なのにFXでは土日の取引ができないのでしょうか。
実は土日でもFXをしようと思えば可能なんですが、参加者がほとんどいないんで売り買いのスプレッドが極端に広がるから、FX業者も取引を制限しているんですね。
でも、日本の祝祭日は海外の市場には関係ありませんので、祝祭日でも取引できます。
FXは通貨ペアが多い
FX業者によっては40ペア以上もあるところもありますが、実際の取引では10ペア程度、多くてもせいぜい20ペアもあれば十分です。
かえって株のようにあまりにも選択肢が多いと迷いますね。銘柄(通貨ペア)選びに余計な時間と労力がかかっちゃいます。
ただ、直接取引をしなくても、いろんな通貨の動きを参考にして全体のトレンドを把握しておくことは重要です。
FXは取引手数料などのコストが圧倒的に安い
ユーザー顧客のコストとしては、取引手数料とスプレッドがあります。現在はほとんどのFX業者では取引手数料が無料で、スプレッド(手数料に相当する業者側の利益)もドル円で1~2銭程度が多いです。
FXは外貨建て金融商品の中でも圧倒的にコストが安いですから、デイトレやスキャルピングで頻繁に売買することができて良いです。