FXのメンタルコントロールを成功させるには自己改革に焦点を合わせることが必要です。

FXトレーダーたちの努力の多くが失敗する原因は、その焦点が合っていないからです。

あるFXトレーダーは、日誌ブログにポジションサイズのことを書き、それに取り組んだものの、翌日には心の動きをコントロールすることを強調し、またその翌日には早めに損失を確定することを強調していました。

このように焦点を次から次へと変えているようでは、一つの方向性を維持できるわけがないのです。

一度にすべてを学習できることはほとんどないため、これは問題です。

心理学の研究によると、学習には一般に多くの試行錯誤が必要です。例えば、パソコンの操作や車の運転など、私達が学んだ重要なスキルについて考えてみても、試行錯誤するのが普通です。

例えば、見知らぬ都市の地図をいくら研究しても大して覚えられませんが、いろいろな道路を走り、信号に従い、道に迷いながら、目印になりそうな建物などを見つけることで、ようやく道を覚えることができるのです。

こういう学習を意図を持って続けていけば、一定期間は集中して新たな試みを続けその間ずっと速やかにフィードバックをしていけば、学習期間を大幅に短縮することができます。

ときどき練習することを長年続けるよりも、毎日練習して、毎週レッスンを受けたほうが、ピアノの弾き方を覚えるのが早いのと同じです。

自己改革にとくに焦点を合わせることなく、FXトレードの目標を毎日のようにコロコロと変えていたのでは、学習曲線は伸びていきません。これでは努力が蓄積されることはないのです。

自己教育者としては、自分の成長と進歩を導く特定の方向性を打ち出し、それを持続させることが必要です。

これが効果的な目標設定のカギです。モチベーションが自己改革に向けた活力を与えてくれるものだとすれば、目標はそのエネルギーが向かう方向、つまり経路を提供してくれるものです。

自分のFXの問題パターンを認識すると、自分のトレードの目標が定まってくるのが普通ですが、問題パターンを認識しただけでは目標を定めることはできません。

問題パターンとは、自分の行動が間違っていることを警告してくれるものです。目標を設定するには、問題パターンに代わる新たな思考や感情、または行動のパターンが必要ですよね。

特定の状況で自分がしようとしていること、またはしてはいけないことをハッキリさせるのが目標です。

これまでの解説ページで提案してきた方法で自分のトレードブログ(日誌)を作り、自分のパターン認識の練習を体系化していけば、自然と自分の最良パターンの中から目標の多くが見えてきます。

何よりも大切な目標は、自分のFXが順調にいっているときのやり方でトレードすることです。

FXの成功者は、絶対的な結果としてではなくプロセス(行程)を目標にしている

これは極めて重要なことです。多くのトレーダーは、大金を稼ぐこと、またはFXで生計を立てられるようになることが目標だと考えています。

確かにこうした結果を目標にすれば意欲をかき立てられるでしょうし、それなりの意味もあるのでしょうが、それではトレーダーが成功するために今やるべきことに集中することはできないのです。

短い時間枠では十分に自分の結果をコントロールすることなどできないのです。

自分に有利な方向に賭けて素晴らしい意思決定を下すことはできますが、為替相場が変則的な動きをしようものなら損をするだけです。

FXトレーダーがコントロールできるのはトレードのプロセス(行程)です。為替相場自体をコントロールはできません。

つまり、どのようなメンタルコントロールで、その売買をどう実行に移すか・・・です。

最も効果的なのは、大金を稼ぐことではなく、トレードをうまく進めることに集中することを日々の目標にすることです。

例えば、スポーツコーチも同じ論理に左右されます。

コーチは次の対戦相手に勝利するという目標を重視するかもしれませんが、日々の練習では、良い球が来たらバットを振る(野球)、素晴らしいパスを出す(バスケットボール)、相手の連携プレーをうまく阻止する(サッカー)といった基本的なプレーが中心になでしょうが、

こうしたプロセスを目標に設定することで長期にわたる練習にも継続的に焦点を合わせ、コーチングによって効果的な学習につなげることもできるのです。

どのコーチも本来は教師です。あなたが自己教育者になるときには、自分の学習努力を導けるようにすべきです。

ブログ日誌の記入事項から、自分の最良のトレードと最悪のトレードとの違いが分かるようなパターンを調べてみると、こんなことを自問してみたくなるでしょう。

「自分のトレードで最も大きな差が出るとしたらどのような差なのだろう?」

別の言い方をすれば、「自分の最良のトレードに近く、最悪のトレードとは違うトレードとはどういうやり方なのだろう?」ということになります。

この答えが目標設定の土台になるのです。さらには毎日、毎週の自己啓発努力も導いてくれます。

目標をあまりに限定的なものにすると、ごく限られた状況にしか対応できなくなってしまいますが、逆にあまりに大まかであいまいなものにすると、具体的な行動を導いてくれなくなるのです。

FXの良い目標とは数週間に渡って毎日頑張れるもの

せめて数週間、目標を目指して連日頑張ることができないというなら、新たなパターンを良い習慣に変えられる可能性は低いです。

一度にあまりにも多くの目標に焦点を合わせることはできません。私は、集中力を持続させて取り組める目標はせいぜい三つぐらいだと思っていますが、たいていはそれよりも更に少なくしています。

これはつまり、優れた自己教育者は必要な改革に優先順位をつけ、最も大差が出るような差を重視するということ
です。

目を閉じて、優秀なトレーダーになった自分を想像してみるのが良いメンタルコントロールになります。

自分がなれる最高のトレーダーとして自分をイメージしてみることです。あるいは申し分ないトレードの日をイメージしてみることかもしれません。

もちろん、札束を持ってニヤニヤしているような、あいまいなイメージではありませんよ。

優秀なトレーダーになったら、いつもとはどう違うトレードをするだろう・・・申し分のない日の良いトレードは、良くない日と比べてどう違うだろう・・・

自分をイメージするときには、FXが順調にいっているときに正しいことをしている自分を想像するようにすることです。自分は何をしているだろう・・・それをどのようにやっているだろう・・・

そうやって鮮明に思い浮かべることが、メンタルコントロールの骨格になるのです。

トレード体験が豊富で、成功しているトレーダーと知り合いになってみましょう・・・と言っても、なかなかそれも難しいですので、教材で学ぶことで良いです。

たいていは彼らの最良のFXトレードを見習うだけで、効果的な目標を設定することができるようになります・・・

FXメンタルコントロールに成功した人の画像

『FXの練習における目標設定の方法』の解説ページです。


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