もしあなたが今後自分自身のFXのコーチになって、自分のトレードの上達を目指したいと思うならば、あなた自身をできるだけ素晴らしいFXコーチに育てなければならないのです。
それはつまり、どうしたら自分にとって効果的なコーチングができるのかを理解することでもあります。
心理学調査の結果、心の変化で最も重要なのは、支援する者と支援される者との関係の質であることが分かっています。
もちろん、どのような技法を用いるかも大事ですが、最終的には人間関係を通して伝達されるものなのです。
研究論文によると、成功しているカウンセリングでは、支援される者は、支援する者を友好的で思いやりがあり、協力的だと感じているようです。
支援する者が敵対的だったり無関心だったりすると、自己改革の行程は行き場を失ってしまいます。
しかし、それにはもっともな理由があります。人間関係には魔力が潜んでいるからです。
誰にも価値観や夢や理想があります。でも、そういった価値観や夢や理想をはっきりと心に思い描いたことが何度あるでしょうか?
明けても暮れても型にはまった行動にとらわれて、自分にとって最も大切なものとは距離を置いて生活すること、それは他の人に認められていないということです。
実用性という名の下に一番好きなものを捨てること、恐怖とか利便性から二番目に好きなもので我慢すること、それも私達を(自分自身から)孤立させることになるのです。
妙に思われるかもしれないですが、私達はかなりの時間を自分で自分が見えない状態で過ごしているのです。
日常の一部は、目標に向かってまい進するもう一人の自分に気づかずに通り過ぎているのです。
これこそジレンマです。自分を成功に導いてくれる、その力が自分に見えていないのに、どうやってメンタルコントロールしようというのでしょう。
結局のところ、メンタルコントロールが成功するかどうかを唯一最もよく表しているのが、支援する者と支援される者との関係の質なのです。
では、自分と自分自身との関係とはどういうことなのでしょうか。
自分のFXトレードのコーチになる場合、その努力が実を結ぶかどうかは、自分で自分が見えている状態を持続させ、自分自身との実現した関係の魔力を利用できる能力が自分にあるかどうかで決まってくるのです。
自分をうまくメンタルコントロールするには、自分で自分が見えていなければならず、自分はこういう人間なんだ、自分はこれを重視しているんだ、という考えを持ち続けなければならないのです。
■では、どうすればそんなことができるのか・・・
自分の内なるコーチとの目に見える建設的な関係を築けるシンプルな方法があります。
それは、FXトレードにおける強みを一つだけ特定し、今後のFXトレードの目標として掲げることです。
私がFXトレーダーにアドバイスするときには、FXトレーダーに前日のトレードで最もうまくいき、今日も続けたいと思うことを挙げてもらっています。
自分の能力の範囲内で建設的な目標を設定し、自分の中に存在する最大の強みに働き掛けていくのです。
そうすれば例え為替相場が厳しくても、自分の有能さを確認し、それを目に見える状態にしておくことができるのです。それがメンタルコントロールにつながります。
さて、それにしても否定的な目標を掲げる人が多すぎます。
「○○などするものか」「××のようなことはしない」などと宣言するケースが多いですが、そうではなく、「これが自分の得意技なんだ」「これは昨日最もうまくいったFXトレードだから、その強みを今日も利用したいんだ」といった目標を設定することです。
FXトレーダーである自分とコーチである自分との関係では、その関係の質がメンタルコントロールに重要な役割を果たします。
最高の関係が築かれるのは、目標がその価値観や際立った強みと関連づけられたときです。とにかく、最悪のトレードをしたあとでも最も得意なことを探し出し、それを繰り返し、その範囲を広げていくことなのです。
良い行動を習慣に変えられるのは、繰り返しだけです。自分の能力を見極め、強化する習慣を身につけていれば、自分で自分が見えるようになってくるのです。
そうした関係の魔力、そしてそれがもたらす自信こそが、どんなに厳しいFXの結果でも、自分を元気づけるメンタルコントロールになるのです。
■前週にトレードしたFX日誌に記入した内容を見直すこと
自分で書いた、建設的で励みになるような言葉と、否定的で批判的な言葉の数を数えて比べてみてください。
否定的な言葉のほうが建設的な言葉よりも多ければ、もう一人の自分との健全な関係が維持できていないことになります。
そもそもFX日誌をつけていなければ、コーチは何も言ってくれません。それは良い関係ではありませんよね。(もう一人の自分に報告しなければいけません)